平凡な貯蓄銀行の部長が、ひとり娘を取り戻すために“最強の元工作員”へと戻っていく。2026年に韓国SBSで放送され、Netflixでも配信中の『エージェント・キム:リアクティベーティッド』は、ソ・ジソブ主演の父親アクションドラマだ。スカッとするアクションが好きな人はもちろん、家族の物語や“おじさんたちの友情”にグッとくる人にもすすめたい全10話。

あらすじ(ネタバレなし)
キム部長(ソ・ジソブ)は、中小の貯蓄銀行で働くごく普通の会社員。メガネをかけて淡々と出勤し、家では高校生の娘ミンジとの距離の縮め方に悩む、どこにでもいる父親だ。けれど彼には、誰にも明かしていない過去がある。かつて数々の特殊作戦に投入された、凄腕の秘密要員だったということ。

危険な世界から足を洗い、娘との穏やかな日常を守るためだけに生きてきたキム部長。ところがある日、友人とのトラブルをめぐる保護者面談のあと、ミンジが連絡もないまま姿を消してしまう。
学校を訪ね、手がかりを追ううちに見えてきたのは、ただの失踪ではなく犯罪組織が絡んだ誘拐事件という現実。娘を取り戻すため、キム部長は長いあいだ封印してきた“あの頃の力”を再び使うと決める。
頼ったのは、かつて同じ任務をこなした仲間ソン・ハンスとパク・ジンチョル。それぞれの暮らしを送っていた3人が再びチームを組み、組織をひとつずつ崩していく。そして事件を追うほど、子ども同士のトラブルから始まった誘拐の裏に、もっと大きな闇が潜んでいることが見えてくる。
主な登場人物

キム部長(ソ・ジソブ)

普通の銀行員の顔と、伝説の元要員の顔をあわせ持つ主人公。戦う理由はいつだって、娘と一緒に生きていきたいという一点のみ。
キム・ミンジ(ソ・スミン)
キム部長のひとり娘で高校生。父の過去を知らないまま、事件の中心に巻き込まれていく。
ソン・ハンス(チェ・デフン)

テコンドー道場を営むキム部長の旧友。元テコンドー金メダリストにして元秘密要員。張りつめた空気をふっとゆるめるムードメーカー。
パク・ジンチョル(ユン・ギョンホ)

かつて「戦場の神」と呼ばれた元要員。いまは娘ダビンを溺愛する親バカパパで、強さとコミカルさのギャップがクセになる存在。
チュ・ガンチャン(チュ・サンウク)

チュハク建設を率い、キム部長の前に立ちはだかる男。これまでのイメージを覆す、チュ・サンウクの強烈な悪役ぶりに注目。
チョン・サンア(ソン・ナウン)

事件が進むなかで、キム部長たちと関わっていく主要人物のひとり。物語の流れにどう絡むのかは、本編で確かめてほしい。
見どころ
メガネのアジョシ3人のチームワーク
この作品のいちばんの魅力は、キム部長・ハンス・ジンチョルの3人組。軽口を叩き合い、しょうもないことで言い合いをしていたかと思えば、作戦になった瞬間に圧倒的な戦闘力を見せつける。そのギャップがとにかく気持ちいい。チェ・デフンとユン・ギョンホのゆるいコメディが、重くなりがちな物語にちょうどいい抜け感をくれている。
「娘と生きるため」に戦う、ソ・ジソブの切実なアクション
ソ・ジソブにとっては『主君の太陽』以来、13年ぶりのSBSドラマ出演。本人も、今回のアクションは任務や復讐のためではなく、娘と一緒に暮らしたくて戦う必死のアクションだと語っている。銃撃戦も素手の格闘も派手だけれど、その奥にずっと“父親の感情”が流れているのがこのドラマの良さ。映画『96時間』(Taken)を思い出す人も多いはず。
全10話のスピード感と、ウェブトゥーン原作の世界観
原作は同名のNAVERウェブトゥーン。全10話とコンパクトなぶん、事件が次々と起こってダレる時間がほとんどない。韓国では回を重ねるごとに視聴率が伸び、最高27%台まで到達したとも。過去の回想シーンにはオク・テギョンが特別出演していて、冷たい水の中でのアクションも見逃せないポイントだ。
結末・最終回のあらすじ(ネタバレあり)
⚠️ここから先は最終回までのネタバレを含みます
ミンジの誘拐は、子ども同士の問題では終わらなかった。その裏にあったのは、チュハク建設と腐敗した国家権力がつながる巨大な陰謀。娘を救い出したあとも、キム部長は“家に帰るための最後の任務”へと向かっていく。
最後の作戦で、キム部長は北から来た因縁の相手リ・ウンリョン(리응령)を最後まで守り抜く。特任局はリ・ウンリョンをマカオへ亡命させることを条件に核兵器関連の情報を手に入れるが、すべてを渡した直後、彼は何者かに拉致されてしまう。その黒幕はキム部長本人。かつての戦友パク・ヨングァンの弟、パク・ガンソン(박강성)との約束を守るためだった。
別れ際、ふたりが交わしたのはヨングァンが遺した言葉、「最後まで生き残れ」。その後パク・ガンソンは、リ・ウンリョンを始末する代わりに北の巨額の裏金が入ったセキュリティカードを抜き取り、彼を北へ送り返すという別の選択をする。
一方、特任局はキム部長とミンジを守るため、キム部長の死を公式に偽装し、ふたりに新しい身分を用意する。世間的には亡くなった人になったキム部長。父と娘は、ようやく新しい人生を始めるチャンスを手にする。
さらにキム部長は、古い縁のあるチョ・ピョンギョン(조평견)に連絡し、すべての悲劇の中心だったチュハク建設の解体を求める。チュ・ガンチャンと娘のチュ・ヘリ、事件に関わった政界の人物たちの悪事は明るみに出て、全員が逮捕。チュハク建設も解体へと進み、長く続いた悪の連鎖はここで幕を下ろす。
すべてを片づけたキム部長が、チョ・ピョンギョンとの約束どおりに向かった先は「白虎人力事務所」。迎えたのは所長のイ・ドギュ(이도규)。キム部長の経歴にゆっくり目を通した彼は意味ありげに笑い、その腕前を自分で確かめたいとでも言いたげな様子を見せる。新しい物語の始まりを予感させるラストシーンだ。
白虎人力事務所って?
ラストに登場した白虎人力事務所は、ただの人材派遣会社ではない。原作者パク・テジュンの作品世界、いわゆる“パク・テジュン・ユニバース”に登場する組織で、表向きは人力事務所、実態は凄腕の傭兵たちが集まる秘密組織。キム部長の合流シーンはおまけのクッキー映像というより、原作世界とのつながりであり、シーズン2への伏線と受け取る声が多い。
作品情報
📺 放送年:2026年(韓国SBS)
🎬 話数:全10話
🎭 出演:ソ・ジソブ、チェ・デフン、ユン・ギョンホ、チュ・サンウク、ソン・ナウン ほか
📖 原作:NAVERウェブトゥーン『キム部長』
✍️ 演出:イ・スンヨン、イ・ソウン/脚本:ナム・デジュン
📱 配信:Netflix
まとめ
私は完結を待ってから、Netflixで一気に見た派。10話があっという間に感じるほどのテンポで、8話あたりから少しだけ間延びする瞬間はあったものの、全体としてはスピーディーで最後まで飽きなかった。地上波らしい唐突なPPLには、ちょっと笑ってしまったけれど。
派手なアクションの真ん中にあるのは、娘を想う父親の愛と、何も聞かずに駆けつけてくれる仲間との絆。原作ファンなら白虎人力事務所とのつながりにニヤリとできるし、原作を知らなくても一本のアクションドラマとして十分に楽しめる。シーズン2を期待しながら、もう一度3人の掛け合いを見返したくなる作品だ。
あなたの次の推しドラマが見つかりますように🌸
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